この記事では、多系統萎縮症の症状や
多系統萎縮症の方に合う福祉用具を解説しています。
「多系統萎縮症ってなに?」
「多系統萎縮症の具体的な症状を知りたい」
「多系統萎縮症の方に適合する福祉用具を知りたい」
と言われる方におすすめの記事です。
多系統萎縮症の症状と特徴
多系統萎縮症には3つの種類があります。
シャイ・ドレーガー症候群
自律神経系の変化を主な症状とする原因不明の疾患です。
症状は以下の通りです。
・起立性低血圧
初期には、耳鳴り、頭痛、肩こり、けん怠感、立ちくらみがあります。
進行すると、目の前が真っ暗になることが増えます。
・ 失神
・排尿障害
頻尿、夜間尿に始まります。
次第に、尿失禁をする、尿がまったくでなくなります。
・尿失禁
・便秘
・インポテンツ
・発汗異常
・言葉の不明瞭
・歩行時のふらつき
・筋肉のこわばり
・パーキンソン症状
・筋肉のやせ
・いびき
・睡眠中無呼吸発作
この病気の患者さんは10万人に0.31人の割合です。
全国の調査では、146名いらっしゃいます。
男性の方が女性に対して約3倍くらい多いとされています。
発症年齢は40歳から60歳とされています。
原因がわかっていませんので、治療法はまだ確立されていません。
しかし、自律神経症状やパーキンソン症状に対しては対症療法が試みられています。
立ちくらみに対しては、薬物療法が使用されます。
排尿障害はα交感神経遮断薬が使用されます。
下半身のつっぱりなどにはけいれんの薬が使用されます。
オリーブ橋小脳萎縮症(おりーぶぎょうしょうのういしゅくしょう)
脳細胞が変化していく病気です。
以下の症状がでてきます。
・運動失調
・パーキンソン症状
・自律神経障害
・言語障害
・失調性歩行
・起立性低血圧
・眼振(目がけいれんしたように揺れ動くこと)
ほとんどが10年以内に亡くなってしまう可能性が高いです。
突然死の可能性が高く、防止できれば、長期の生存が期待できます。
多系統萎縮症の患者さんは10万人当たり4.4人いらっしゃいます。
その80%はオリーブ型橋小脳萎縮症であると言われています。
発症の年齢は平均で54歳であると言われています。
原因はわかっていません。
根本的な治療はなく、対症療法が基本となります。
薬物療法やリハビリテーションでの歩行訓練を行います。
線条体黒質変性症(せんじょうたいこくしつへんせいしょう)
筋肉のこわばりや動作の緩慢さや転びやすくなるなどの症状があります。
パーキンソン病によく似た症状がみられます。
しかし、手のふるえはあまり強くないことが特徴です。
病気の進行は速く、他の萎縮症と同じような運動失調や自律神経障害が起こります。
発病から約5年から10年で亡くなる可能性があるそうです。
患者さんは10万人に1人から3人程度と言われています。
50代に発病することが多く男性の方がやや多く発病します。
主な治療法としては、薬の使用による対症療法です。
多系統萎縮症の症状と留意点
立ちくらみを防ぐために、下肢の運動、特に起き上がる前に寝たまま、両下肢の運動を行い、ウォームアップを行って起き上がりましょう。
多系統萎縮症の症状に適合する福祉用具
歩行器
歩行時の安定性の確保や転倒防止を支援します。
状況により固定型歩行器やキャスター付き歩行器を使い分けましょう。
まずは、本人に使用していただき、状況を観察しましょう。
歩行器ごと転倒する場合もありますので注意しましょう。
パーキンソン症状による前方突進がある場合は、抵抗器付きのものをおすすめします。
ベッド
3モーターをおすすめします。
起立性低血圧による立ちくらみ、めまいへの対応
➡高さ調節による座った姿勢の維持が必要です。
➡介助バーとの併用もおすすめします。
➡ひざ上げ機能により、つま先を高くし、立ちくらみを防止しましょう。
起きる動作前の上体起こし・めまいへの対応
➡背上げ機能が必要です。
背上げ時の身体のずれ防止
➡ひざ上げの機能が必要です
寝ている間に血圧が上昇しすぎることへの対応
➡背上げ機能が必要です。頭を高くして寝ましょう。
車いす
・起立性低血圧を生じやすいので、エレベーティング式をおすすめします。
・長時間座るためにリクライニング機能やティルト機能がついているものをおすすめします。
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床ずれ防止用具
失神発作が多く起きる場合は、ベッド上での生活を余儀なくされます。
その場合は、検討をおすすめします。
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スライディングボード
介護者の負担軽減のためにおすすめします。
ポジショニングクッション
安楽な姿勢保持・床ずれ防止のために必要です。
多系統萎縮症は難病の1つであまり認知のない病気です。
介護保険適応の特定疾病に入っていたため、調べていました。