「早老症」は介護保険が使える病気の1つです。
世界で800万人に1人の割合で発症する難病です。
難病であるため、症状についてある程度の情報がありますが、難しい言葉が並んでいますよね。
さらに、どういった福祉用具が適切かまで記載された情報は少ないと思われます。
この記事は
・早老症の症状について知りたい方
・早老症の方に適合する福祉用具をお探しの方
に向けて書かれています。
本文中では、
・早老症の具体的な症状
・日常における気を付けるべき
・症状に合う福祉用具
について解説しています。
この記事を読むことで
・早老症の症状について理解できます。
・早老症ががんや脳梗塞などの別の病気を一緒に起こすことを知ることが出来ます。
・どんな福祉用具を使ったらいいのかわかります。
について理解できます。
早老症の具体的な症状
体細胞の分裂時に人間を構成する要素(染色体)の不安定な状態にあり、加齢を促進させる病気です。
脳の機能は保たれているので、認知症もなく比較的日常生活は自立しています。
症状一覧
- 低身長
- 白髪
- 脱毛
- 老人のような顔立ち
- 肥満性の体だが手足が細い
- 目が見えにくい(白内障)
- 皮膚のちぢみ
- 骨粗しょう症を起こす
- 糖尿病を一緒に発症する
- がんを一緒に発症しやすい(特に脚部)
発症時期が子供の場合の特徴
- 頭ははげる
- まゆげとまつ毛がなくなる
- 頭は大きくなる
- 体は小さくなる
- しわが多くなる
- 鼻がとんがり、鳥のくちばしのようになる
成人期以降に発病した場合の特徴
- 低身長
- 低体重
- 白髪
- 両目の視界が白くぼやける【白内障】
- 皮膚が硬くなる
- 体のちぢこまり
- 声のかすれ
その他の特徴
早老症は遺伝子病で主に3つの症候群に分類されます。
- プロジェリア症候群
- ハンチントン・ギルフォード症候群
- ウェルナー症候群
早老症の症状における留意点
- 利用者は若い方が多いので、言葉遣いに注意しましょう(実年齢と見た目にギャップがあります)
- 脳梗塞や心筋梗塞、がんによる急な状態変化に対応できるようにしましょう
- 症状に合わせた生活指導と介護が必要です(認知機能に障害もなく実際にどんな介護が必要かあまり知られていないため)
症状に適合する福祉用具とは?【対早老症】
歩行用具
転倒しないように早めの歩行支援用具導入をおすすめします。
軽度
室内なら、四点杖での支援や手すりを導線上に設置し歩行支援しましょう。
屋外なら、四点杖や段差を超えやすいように車輪の大きな歩行車で歩行支援を行いましょう。
中度
室内なら、固定型歩行器、歩行車などで体重を支えながら移動支援をしましょう。
背中が曲がっている方(円背)の場合は高さに注意して本人が楽に移動できるようにしましょう。
屋外なら、車輪の大き目の歩行車がよいでしょう。電動車いすならもっと安全に外を移動できます。
重度
室内なら、馬蹄型歩行車がおすすめします。
屋外移動なら車いすがよいでしょう。本人の症状に合わせて機能がついてないものやリクライニングなどの多彩な機能があるものを担当医やリハビリの先生と一緒に選びましょう。
起きる動作
脳梗塞やがんの発症後はそれらに対応したケアが必要になってくると思います。
早老症の患者人数について【症状別】
プロジェリア症候群の患者数は世界で30名ほどと言われています。
ハンチントン・ギルフォード症候群の患者数は世界で100名ほどと言われています。
プロジェリア症候群とハンチントン・ギルフォード症候群は生後2か月から2歳の方が発症します。
ウェルナー症候群の患者は世界各地で1200例の症例が報告されています。
そのうちの7割が日本人で、100万人に30名が患者と言われています。
ウェルナー症候群の発症年齢は10歳から40歳です。
症状の経過と予後【早老症】
子供の頃より老化が始まった場合は、老化現象が急速に進みます。
健康な方の1年間が早老症の方には10年間に匹敵すると言われています。
関節が動かしにくい感覚(こわばり)や骨の成長停止による低身長、骨粗しょう症、皮膚が硬くなる、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。
ウェルナー症候群の方は、多くの場合はがんや動脈硬化一緒に発症するので体調が悪くなります。
早老症の症状に対する治療法
残念ながら、根本的な治療法はまだありません。
それぞれに応じた対応がとられるか、症状に合わせた治療を行います。
まとめ
- 老人のような見た目になるが、脳の機能は衰えない
- がんや脳梗塞などの病気と一緒に発症する可能性がある
- 福祉用具は軽度から中度の方には歩行の支援を行う
- 重度の方は、症状に合わせて福祉用具を選ぶ